心にのこる風景 大井川鐡道 沿線ツーリングを楽しむ旅


■越すに越されぬ大井川

 

大井川は、静岡県のほぼ中央に位置する島田市を流れています。

南アルプス南部に源を発し、南北に貫流しながら駿河湾まで注ぐ、延長168kmの一級河川です。

 

江戸時代に「箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川」と詠まれたように、大井川は東海道の難所でした。

 

東海道の23番目にあたる宿場町の嶋田(しまだ)と24番目の金谷(かなや)の間に大井川は流れています。

 

大井川は東海道筋では特に勾配の大きい急流河川です。河床には砂礫が厚く堆積し、川幅が広いところでは1000m以上もあり、複数の流路が何筋にも分かれています。

 

このダイナミックで見ごたえのある大井川流域を走るツーリングはとても楽しいですよ。

 


今回のツーリングでは、大井川流域の国道473号や県道64号,県道63号,県道77号を走ります。

 

雄大な大井川と併走するのが「大井川鐡道」になります。

国道473号は大井川鐡道の蒸気機関車(SL)と併走できる爽快なルートにもなります。

 

大井川の右岸側を走る国道、左岸側を走る県道、どちらも走り応えがあります。

区間によっては国道よりも県道のほうが快走できます。

往復で異なるルートや景色を楽しむのも良いですね。

 


■蓬莱橋

 

「世界一の長さを誇る木造歩道橋」

大井川にかかる蓬莱橋(ほうらいばし)は全長897.4m、幅2.4mの木造歩道橋です。

(やくなし=厄無し)の語呂合わせで縁起のいい橋として人気があります。

 

 


■牧之原公園

 

「日本夜景遺産認定」に登録された公園

広大な牧之原大茶園の一角にある公園からの景観はとても美しく、正面には富士山、右手には駿河湾、左手には南アルプスの山々、眼下には雄大に流れる大井川と広がる茶畑を一望することができます。

是非、夜景も見てみたいです。


■大井川鐡道

 

大井川鐡道の蒸気機関車(SL)はとても有名で、大井川本線の新金谷駅から千頭駅間を運行しています。

 

<大井川本線>

・運行区間:金谷駅~千頭駅

・路線総延長:39.5km

・駅数:20

 

<井川線 南アルプスあぷとライン>

・運行区間:千頭駅~井川駅

・路線総延長:25.5km

・駅数:14


■大井川鐡道 新金谷駅

新金谷駅のプラットホームではレトロな客車たちがお出迎え。

 

まるで昭和の時代にタイムスリップしたような不思議な感覚になります。

 

高校生のときに家族旅行でここから蒸気機関車(SL)に乗って寸又峡温泉に行った日のことを思い出します。

新金谷駅の奥まで足を進めると、転車台の上に蒸気機関車(SL)が停まっています。

 

■蒸気機関車 C12型164号機

 

1937年(昭和12年)に日本車両で製造されました。赤いプレートがオシャレです。

 

<主要スペック>

・全長:11.350m

・全幅:2.946m

・高さ:3.900m

・重量:50.0トン(空重量39.0トン)

全国の鉄道から姿を消したしまった蒸気機関車ですが、ここ大井川鐡道では全国に先駆けて動態保存を行っています。

 

動態保存とは、鉄道車両を運用可能な状態で整備・保存することをいいます。

 

 

■電気機関車 E10型

 

1942年(昭和24年)三菱電機製造。

E101とE102が活躍しています。

1949年の大井川本線の電化に伴い、新造された電気機関車です。

 

<主要スペック>

・全長:12.80m

・全幅:2.708m

・高さ:4.135m

・重量:45.0トン

ここにもレトロな客車たちがたくさん居ます。

 

日本の産業遺構を維持・継承する使命感に感服します。


■SLの見える丘公園

 

県道63号沿いにある小さな公園

SLが見える温泉として有名な「川根温泉」の少し南側に、SLの見える丘公園があります。

 

ここからは、大井川鐡道の「大井川第一橋梁」を眺めることができます。

E10型がレトロ客車をけん引して、颯爽と大井川第一橋梁を通過していきます。

 

時刻表で大井川本線の「川根温泉笹間渡駅」と「抜里駅」の時間を見ると、大井川第一橋梁を通過する時刻を読み解くことができます。


■塩郷の吊り橋

 

大井川に架かる1番長い吊り橋

全長220.4mで高さ10.4mのダイナミックな木造人道橋の吊り橋です。

対岸までゆらゆらと渡ることができます。

定員は10名まで。

大井川鐡道の真上に架けられており、眼下を颯爽とSLが走り抜けます。


■大井川鐡道 千頭駅

千頭駅にもレトロでかわいい車両たちが居ます。

こちらは南アルプスあぷとラインのクハ600型

 

そして、きかんしゃトーマスの仲間たちも居ます!

 

左から順に、

 

・緑のボディの小さな機関車は、パーシー(No.6)

ちょっぴり怖がりだけど、トーマスとは一番の仲良しです。

 

・日本製の蒸気機関車は、ヒロ(No.51)

スクラップ寸前のヒロをトーマスたちは修理しようと奮闘したのでした。

 

・赤いボディーが自慢の蒸気機関車は、ジェームス(No.5)

ちょっとうぬぼれ屋さんです。

 

なんだか大人でもテンションが上がってしまいます!

 

千頭駅を散策してみましたが、きかんしゃトーマス号は居ませんでした。

大井川鐡道はとてもユニークな企業ですね。

平成26年からアジアで初めての「きかんしゃトーマス号」の運行を開始。蒸気機関車の運行技術と世界的な人気キャラクターによる夢のコラボレーションを実現しています。

 

沿線の見どころもたくさんあるので、大井川流域は何度でも訪れたくなる場所です。

 

 

 

 

 


旅のはじまりはモーターサイクル。

 

自由への扉をひらこう。