記憶にのこるキャンプ場 ヤマボクキャンプ場

久しぶりに高校時代からの友人とキャンプツーリングに行くことになった。

最後に一緒に走ったキャンプツーリングはいつだろうか?

記憶には残っているが、iPhoneに写真データが無いので、デジカメ時代となる。

10年以上も前の話しということか・・・

 

2024年、今年の夏はなんだか猛暑すぎる!

6月から気温は30度を越え、梅雨入りは例年より約2週間遅れの6月21日だった。

梅雨らしい雨の降り方ではなく、雨が降ればゲリラ雷雨か線状降水帯だ。

子供の頃から知る梅雨では無いなと不安を覚えながらも、7月18日にしっかりと梅雨は明けた。

 

夏のキャンプは涼しいところで!

しかも今回は連泊することになった。

 

連泊できるということは、2日目は積載物すべてを降ろして身軽に走ることができる。

ツーリングマップルと睨めっこしながら、ワインディングにキャンプ場,温泉,買出しに行けるスーパーなどは何処かと思考を巡らせた。

 

昔のツーリングマップル「関東甲信越」を引っ張り出してきた。

2013年のものだ。11年の歳月が流れている・・・

「中部北陸」は2017年で止まっている。

これも古い・・・

 

いまはスマホ1つで事足りる時代だ。

アプリでMAPも見られるし、最新情報もゲットできる。でも、やっぱり思考を巡らせるときは、紙の地図の方がワクワクするな。

 

涼しさを求めるなら、標高を上げるしかない。

日本国道最高地点の碑「標高2172m」がある渋峠「志賀草津道路」が良さげだ。

 

2冊を見比べると、”おすすめ”ポイントが少しずつ変化していることに気づく。

そんな中、笠ヶ岳の南斜面に「山田牧場キャンプ場」を見つけた。

 

行く前から情報をキャッチしすぎると、新鮮味が薄れてしまう。極力避けたいのだが、ついついGoogle検索してしまう・・・

 

ホームページもあって、クチコミもしっかりしているぞ。早速「山田牧場キャンプ場」に電話を入れてみた。

 

朝イチだったせいか?電話は転送になり誰も出なかった。

すると、その後、留守電に丁寧なメッセージが残されていた。

 

折り返してみると、管理人のおっちゃんが出てくれた。

話をしてみて直感でイイ人だな、ここのキャンプ場に決めよう!と思った。

 

LINEで友人からのOKも出た!

 

ここのキャンプ場が良いなと思ったポイントは、

・標高が1500mあること →涼しそうだ。

・車両の乗り入れがOKなこと →愛車を眺めながら酒を呑みたい。

・有料でゴミ出しができること →ゴミの積載&処分から解放される。

・温泉が近いこと →夏の汗はさっぱりと流したい。

・フリーサイトは予約が不要なこと →バイク乗りは天候に左右される。

・炊事場,水洗トイレがあること →ありがたい。

・麓の小布施の街まで買出しに行けること

・何よりも空いていること →電話で空いているよと教えてくれた。

 

コロナ禍を経て、キャンプブームの到来。

事前予約が必要になる中で、宿泊先が確保できる安心さはあるけれども・・・

やっぱり昔ながらの予約無しで行けるキャンプ場が手軽でイイんだよね。

 

■ヤマボクキャンプ場


草津温泉にある道の駅「草津」で昼めしを食べ、その先にあるガソリンスタンドで給油。

 

何やら西の空の色が怪しいぞ。雨雲レーダーでも雨の予測が出ている。

 

スタンドの店員さんに話を聞くと、“夕方には雨雲が通過するから山を下りたほうがいいですよ”と言われた。

“実はいまからキャンプ場に行くんです”と答えると、他車への給油の手を止め、親切にキャンプ場までの道のりや小動物が食べ物を持っていく話、子熊が出る話をしてくれた。

 

子熊ですか・・・

 

セルフのスタンドで誰とも会話をせず、給油するのが当たり前になってしまったが、こういった会話のやり取りが、旅の記憶にのこるんです。

 

ハイオクを満タンにして「志賀草津道路」をグングン駆け上がっていきます。

金曜日の午後3時くらい、交通量も少なめでスイスイと走っていきます。

 

景色の良い所で停まってもいいかなぁ~と駐車場を横目に、雨が降る前までにテントは張りたいなぁ~、明日は身軽に走れるからここにも来られるよなぁ~、前に車が居ないからこのペースでずーっとアクセルを開けていたいなぁ~と思っていたら、あっという間にキャンプ場に到着しました!

 


ヤマボクキャンプ場の入口です。

 

ツーリングマップルには県道66号線が悪路となっていましたが、路面はまあまあ綺麗でした。

道幅は車2台がギリギリなので、ブラインドコーナーには注意が必要です。

 

途中でスキー場のリフトの支柱と降り場がありました。

ここがヤマボクワイルドスノーパークのゲレンデですね。ということは、冬になるとこの道が林間コースになるのかなぁ~楽しそうだなぁ~。

 

16時前には受付に到着です。

電話で話したおっちゃんが居ました。

直感のとおり、親切な人でした。

 

ひと通りの説明を聞いたのち、下のフリーサイトにテントを張ることにしました。ほぼ貸し切り状態です。

 

雨雲レーダーを見ると、雨雲がかなり接近している。急いでテントを張ると、やべーホントに雨が降ってきた!

 

慌ててテントの中に一時避難して、スマホを確認。最近の天気予報の精度は凄いなぁ~と感心してしまいます。

 

どうやら、このキャンプ場の上空だけが雨です。

ウソでしょ、こんなことってあるの?と思いながら、買出しに行けるのかなぁ~温泉に行けるのかなぁ~と雨宿りをしながら友人と会話します。

 

温泉はともかく、ビールはお預けでも、晩めし抜きだけは絶対に嫌だー

そして喉がめっちゃ乾いたー

なんだか、思いのほか暑いぞ!

 

標高1500mで快適に暮らそうかと思っていたけど、想像以上に暑い!

そして降雨により湿気がいっきに上昇。

ムシムシと湿度が凄いことになってきた。

 

これ寝れるのかな?

 

この雨って止むのかな?

 

雨雲レーダーを見ると、何故か?この界隈だけ雨雲が湧き続けている。

ひょっとしてここは雨雲の通り道なのか?

 

テントの中から降ったり止んだりの雨を眺めながら、ぼ~っとします。

いつも時間に追われてるからなぁ~

の~んび~りとした、こんな時間の過ごし方もまぁいっか。

 

昔は暗くなるまで走り続けて、キャンプ場も見つからず・・・

真っ暗な中でバイクのヘッドライトを灯して、テント張ってたよな・・・

 

テントにあたる雨音を聞きながら、幸せなひとときを過ごします。

 


雨も上がりはじめたので、続けてタープも設営。

 

それにしても喉が渇いた。

自販機を探しに行こうと、スキー場のセンターハウスにあたるロッジやホテル?を見に行ったが、どこも営業していない・・・

自販機の影も形も見当たらない・・・

 

なんてこった。

キャンプ場の受付は16時で閉まってる。

 

誰か~飲み物をくれ~

 

すると偶然、目の前の改修工事中のロッジから男女3人の若者が出てきた。

この近くに自販機はありますか?と尋ねると、無いとのこと。残念!

 

あまりに不憫に思ったのか、新品のいろはす500㎖を車から取ってきてくれて、

お二人にどうぞ!と譲ってくれた。

 

見ず知らずの人達から親切を頂くなんて・・・

何て良い人たちなんだ。

 

タープで作った日陰に入り、コップに取り分け、いろはすをゴクゴクと飲んだ。

ぷはぁー生き返った!ありがとう若者たち!

自分達もどこかの誰かにお返しするよー。

 

天候も回復してきたので、小布施の街まで買出しに行くことにした。

 

そしてキャンプ場を出てすぐに気づいた。

 

なぬ?路面が濡れていないぞ。

 

ホントに雨が降ってたのはキャンプ場の上空だけだったのか?

 


小布施の街に入り、最初の信号待ちで、

こっちはまったく雨が降ってないよねーとヘルメット越しに会話をした途端、自分達の上空だけ雨が降ってきた。

なにこの偶然は、ひょっとしてオレが雨雲を引き寄せているのか?

 

小布施の街にあるツルヤで宴会の買出しを済ませた。このスーパーマーケットは2日間連続でお世話になった。

 

そして2日分の宴会代、宿泊代、入浴代を友人に奢ってもらった。

GIVIのサイドバックをプレゼントしたお返しとのこと。

ありがたく、ゴチになります!

 

スーパーの帰り道は、あの信号の所だけが濡れていた。不思議と雨が降ったのはあそことキャンプ場だけかぁ~。

 

■ツルヤ小布施店


 1日目の帰り道は、山田温泉の大湯に立ち寄った。

開湯200年の歴史を持つ古湯。源泉かけ流しで「あつ湯」と「ぬる湯」があった。

初体験だったのは洗い場に蛇口がなかったこと。

樋の中をお湯が流れ、木の栓を倒すとお湯が取り出せるという湯門があった。

珍しい体験をすることができた。それにしても源泉かけ流しとは贅沢ですな~。

 

■山田温泉 大湯


2日目の帰り道は、おぶせ温泉 穴観音の湯に立ち寄った。

内湯と露天風呂があり、時間と共に変化する温泉の色を楽しむことができた。

どうやら硫黄の成分が空気に触れて反応するようだ。内湯は乳白色で露天風呂は透明色だ。

露天風呂からは小布施の街がよく見え、夏の風が心地よかった。

 

■おぶせ温泉 穴観音の湯


さ、寒い!

 

なんて寒いんだ。

 

キンキンに冷えたビールをゴクゴク飲んで、ジュウジュウと旨い焼き肉を食べていたのは、つい先ほどの話し。

 

日が沈み、夜も更けてくると、空気が一段とひんやりしてくる。

 

焚き火で暖を取る。

暖ったかい!

これまた幸せのひとときだ。

 

メラメラと燃える炎をじーっと見つめる。

ずーっと飽きることもなく惹き寄せられてしまう。まるで生き物のようにユラユラと動き回る炎に魅了される。

 

オレは軽量コンパクト重視で、積載する荷物は必要最小限。服装は短パンと半袖シャツのみ。

寒みぃーぜと友人を見ると、しっかりと長袖ジャージを羽織ってるではないか。

さすが!準備万端だな~。

 

まるで、ドラえもんの四次元ポケットのように、色々な便利グッズや道具が出てくる、出てくる。

北海道ソロツーリングをこなしているだけあって、さすが旅慣れてるぜ~。

 

やはり見習うべきところが多い。

高校時代からずっと良い影響を受け続けている。

自分の世界観を持っていて、スタイリッシュで、最新のガジェットを取り入れ続ける姿はカッコいい。

オレもバージョンアップできるところは頑張ろう。

 

2泊目の夕方には、隣の管理人さんが見廻りに来た。そういえば、キャンプ場のおっちゃんがそんなこと言ってたなぁ。

 

隣とは、頌栄女子学院の合宿所のSHOEI SANSOのことだ。

東京都港区の学校で、演劇部の中高生の生徒さんが合宿に来ていて、今夜はキャンプファイヤーがあるらしい。その説明と挨拶にきたとのこと。

夜は彼女たちの賑やかな笑い声が聞こえ、朝には合唱の美しい歌声が聴こえた。なるほど演劇部の合宿なんだぁ。

キャンプファイヤーを誘われたけど、恥ずかしいので遠慮しておきます。

 

自分たちの高校時代の遠足や林間学校,修学旅行を振り返り、思い出話に花が咲いた。

 

何歳になっても体験するって大事なことだよな、と再認識した。

 

隣の管理人さんと話したことも印象に残った。

東京で飲食店をやっていたこと。斑尾高原が気に入ってお店を持っていたこと。大病を患い、いまは合宿所の管理人&調理師として1年を通して活動していること。

冬は付近の除雪作業をしたり、人手が足りないときはゲレンデのリフトを見たりと、とにかく1年中働き続けているようだ。

自分の親よりも年上なのだがなんとも若々しい。本当によく働いていらっしゃる。

頑張っているフィールドは違うけど、オレももっと働き続けねば・・・と刺激を受けたのであった。

 


近くを散策してみます。


旅のはじまりはモーターサイクル。

 

自由への扉をひらこう。